「寝る前にスマホを見ていたら、目が冴えて眠れなくなった」そんな経験、ありませんか?
その原因のひとつが、スマートフォンやパソコン、LED照明などから発せられるブルーライトです。
ブルーライトは、目に見える光の中でも波長が短く強いエネルギーを持っており、体内時計に影響を及ぼすことが知られています。
🔍 ブルーライトと体内時計(サーカディアンリズム)の関係
人間の体は、約24時間周期で体温・ホルモン分泌・睡眠などを調整するサーカディアンリズム(概日リズム)を持っています。
このリズムをコントロールするのが「光」です。特に朝の太陽光は体内時計をリセットし、夜にはメラトニン(眠気を誘うホルモン)の分泌が始まります。
ところが、夜にブルーライトを浴びると、このメラトニンの分泌が抑えられ、入眠が遅れたり、眠りが浅くなることがあります(Chang et al., 2015)。
📱 ブルーライトが出る主なデバイス
- スマートフォン
- タブレット・パソコン
- LED照明
- 液晶テレビ・ゲーム機
特にスマートフォンは、顔の近くで長時間使用することが多いため、影響が大きくなりがちです。
🛌 睡眠の質を下げる主な影響
- 寝つきが悪くなる(入眠までの時間が延びる)
- 深い眠り(ノンレム睡眠)が減る
- 中途覚醒が増える
- 翌朝の疲労感・だるさの増加
ハーバード大学の研究では、ブルーライトを2時間浴びることで、メラトニン分泌が最大で55%抑制されることが確認されています(Harvard Health Publishing, 2012)。
📴 ブルーライト対策|iPhone・Androidでの設定方法
【iPhoneのナイトシフト機能】
- 「設定」→「画面表示と明るさ」→「Night Shift」
- 時間指定で自動ONにする(例:22:00〜7:00)
- 色温度を「暖かめ」に調整
【Android(機種により異なります)】
- 「設定」→「ディスプレイ」→「ブルーライトカット」または「夜間モード」
- スケジュール設定で夜だけON
- 色温度を強めに設定するのがおすすめ
補足:一部機種では「目に優しいモード」や「読書モード」といった名称で搭載されている場合もあります。
👓 その他の対策方法
- ブルーライトカットメガネを使う
- パソコンには「f.lux」や「Windows夜間モード」を導入
- 寝る1時間前にはデバイスを手放す
特に、就寝直前のスマホ操作は覚醒レベルを高めるため避けるのがベストです。
🔗 関連リンク(内部)
📚 外部リンク・参考論文
- Chang et al. (2015) – Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep
- Harvard Health Publishing – Blue light has a dark side
- Sleep Foundation – How light affects our sleep
※本記事は研究論文・公的機関の情報を参考に構成していますが、医療的アドバイスを目的としたものではありません。睡眠の悩みが続く方は専門医にご相談ください。