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寝る90分前の入浴で深部体温をコントロールなぜ「体温調節」が睡眠のカギになるのか?
「眠くなるメカニズム」には、体の中の深部体温が大きく関係しています。
私たちの体は、夜になると自然に深部体温(脳や内臓など体の中心の温度)が下がっていくことで、眠りに入りやすくなるようにできています。
実はこの体温の“下げ方”がうまくいかないと、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしてしまうんです。
🔬 論文が示す「体温と睡眠の関係」
体温と睡眠の関連性は数多くの研究で明らかになっています。
- 東京大学の研究(Kräuchi et al., 2000)では、深部体温が急激に低下したときに眠気が強くなることが確認されています。
- また、オーストラリアの研究(Murphy & Campbell, 1997)では、手足の皮膚温が上がることで体の熱が外に逃げ、深部体温が下がりやすくなることが示されています。
つまり、「深部体温をうまく下げるためには、手足を温めること」が重要ということです。
🛁 効果的な体温調節の方法
では、どうすれば深部体温を下げて眠りやすくなるのでしょうか? 以下の方法が効果的です。
1. 寝る90分前の入浴(38〜40℃でOK)
ぬるめのお風呂に入ることで一時的に深部体温が上がり、その後に急激に体温が下がるタイミングで眠気が訪れます。
入浴は寝る90分前までに済ませるのがベストです。
2. 足元を温める(靴下 or フットバス)
冷え性の人は、就寝時に足が冷たいままだと血流が悪くなり体温が逃げづらくなります。
ゆるめの靴下やフットバスで足を温めると、手足から熱が逃げて深部体温が下がりやすくなります。
3. 室温・寝具の見直し
夏は室温26℃前後、冬は17〜20℃が理想的とされています。
また、寝具は通気性の良いもの、湿気をこもらせない素材を選びましょう。
🌡️ 日中の体温リズムも大切に
体温には1日のリズム(サーカディアンリズム)があります。
午前中に太陽を浴びることでこのリズムが整い、夜の体温低下→眠気という自然な流れをサポートします。
また、軽い運動(散歩やストレッチなど)も、日中の体温をしっかり上げることで、夜にしっかり下がる流れを助けてくれます。
💤 睡眠の質を高めるには「体温コントロール」が必須
人間は本来、体温のリズムに従って自然に眠くなるようにできています。
しかし、現代の生活ではシャワーだけの入浴や、冷えた室内、冷房・暖房の使いすぎによって、このリズムが乱れがちです。
「体温をしっかり上げてから下げる」というシンプルな習慣が、ぐっすり眠るための第一歩。
眠りが浅いと感じている方は、まずこの体温コントロールを見直してみてくださいね。
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これらを生活に取り入れることで、体温の自然なリズムを整え、ぐっすり眠る習慣をつくる手助けになります。
📌 参考文献
- Kräuchi K. et al. (2000). Body temperature regulation and sleep onset. Chronobiology International.
- Murphy PJ & Campbell SS. (1997). Nighttime drop in body temperature: A trigger for sleep onset?. Sleep.
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⚠️ 免責事項
本記事は医療行為を目的としたものではありません。紹介している研究結果や商品は万人に効果を保証するものではなく、体調に不安がある方は医師の診断を受けることをおすすめします。